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13.02.09
受け入れがたい匂い。
先日、知人の韓国人にキムチをいただいた。それまでにも何度かいただいたことはあったのだが、今回は受け取った瞬間に「これはやばい」と思った。
外を歩いていてもどんどん匂いが鼻に届く。そこから家に帰るまでにはバスに乗らなければならず、ちょっと迷ったのだが、まあもともと臭いバスだし問題ないか、と思い乗ることにした。始めのほうはバスの中心辺りに立っていたのだが、もうこの時点から周りの人間が何か不審な顔をしだしてた。ちょっとその感じに耐え切れず、一番後ろの端の席に座って難を逃れようと思ったのだが、これが逆効果となった。座った時点では周りには誰もおらず、安心しきっていたのだが、家に近づくにつれどんどん乗客が乗り込んできてしまい、途中から僕の周りのすべての席が埋まってしまうことになった。僕は慌ててキムチの入った紙袋を足元の見えにくい場所に隠すように置いた。僕の二列前に座っていた女性は匂いの発信源を特定できないようで、一度席から立ち上がり、自分の座っている椅子に何か付着しるのではないかと確認していた。一つ前の席に座ったこれまた女性は、何度も僕のほうを振り返ってきた(絶対に目を合わせなかったけれども)。僕の隣に座っていたのは若い外国籍のおねえちゃん二人組みで(なんでこんな日に限って周りを女性に囲まれているのか)、このおねえちゃんたちは匂いの発信源が僕であることに確信をいだいているようで、何かこそこそと話しては、こっちを睨んできた。バスの中心にいたら誰にも匂いの元が僕であることがばれなかっただろうに(ばれるか)、今は思いっきりバスの端に座ってしまっているもんで、ばればれな状態である。しかし僕は窓の外に目を向けたまま、絶対に周りの人間と目を合わさなかった。合わした瞬間に「あんた臭いわよ」とか言われそうな気がして、そんなこと言われたら一生立ち直れないと思った。そのうち、隣のおねえちゃん二人組みのうちの一人がバッグの中から香水を出し、周りに噴きかけ始めた。2分ほど、僕の周りはその香水の香りで満ち満ちたのだが(香水を噴きかけられた時には軽くショックだったが、その一方で、ナイス、とも思った)、3分後には完全にキムチの匂いが勝っていた。幸い(?)僕の周りの乗客はあまり入れ替わらなかったので、多くの人に非難の目を向けられることにはならなかったのだが、そのぶん少人数に恐ろしく深い(不快)非難の眼で睨まれることとなった。ってか、みんなおそらくキムチが匂うのではなくて、僕自身が臭っていると思っていただろう。ものすごく恥ずかしかった。
いまだかつてないくらい時間が長く感じられたのだが、ようやく家に近づいた。しかし、そこから立ちたくなかった。紙袋を僕の足元から取り出したくなかった。いっそのことその紙袋を置きっぱなしにして走り去ってやろうかとも思った。自分がいつも降りる停留所で降りたくなかった。「あの臭い奴はこの辺に住んでいる」と知られるのがものすごく恥ずかしかった。一度最終停留所まで行き(家の三つ先が最終)、みんなが降りるのを待ってから降りて、歩いて戻ってこようかとも考えたが、さすがにそれはめんどいと思い、乗客のきつい視線を受けながらバスを降りて、僕から携帯を盗んだアイツくらい足早に家に戻った。
まあ匂いは残念ながらこの国では受け入れてもらえませんが、とても美味しいキムチでございました。
posted tomoyuki : 13.02.09 14:52