22.01.09
人の話を聞く。
日本の僕くらいの年齢の人間がどうなのか、中学・高校の頃の友人と縁が切れて久しい僕にはわからないが、イタリアに来て比較的長い僕と同世代の日本人男性は、自分の話を誰かに聞いてもらいたくてしかたない人間が多い。これは僕がミラノに来た8年前からずっと気になっていることだ。僕もそういう人達とそんなに違いがあるわけではないが、誰かに話を聞いてもらうのならば、こっちもその分相手の話を聞くのが良い関係なんじゃないのか、と思う。これはかなり極端だとは思うが、僕に相手の話を聞く余裕がない時は、自分の話もあまりしないようにしている。これは相手へのリスペクトである。と同時に自分へのリスペクトでもあるのだが。お互いにこのリスペクトを持ってこそ、良い友人関係が築けるのではないかと思っている。
先日、二年振りくらいに会った男の友人と、Barでお茶をした。噂では仕事を頑張っているということを聞いていた。席に着くと早速、彼は自分の今の状況、未来の展望などを語り始めた。その話は僕にとってとても刺激的なものだったし、参考になる話だった。自分の今の状況に対して、愚痴を一つも言わなかったのも、とても好ましかった。一時間ほど、彼は話し続け、僕は相槌を打ち続けていた。彼の話が終わり、一息ついたところで、お礼ということではないが、僕が自分の話もしようかな、と思った時、彼は「じゃあ、そろそろ行かなくちゃいけないから。コーヒーごちそうさま」と言って席を立った。まあ、実際その後仕事が入っていたのも知っていたし、僕もそんなに彼を引き止めるつもりもなかったわけだが、自分の話をするだけして、それが終わったらすっきりした顔でさっさと席を立ってしまう彼を見て、開いた口が塞がらないとはこのことか、というくらい、僕の口は開きっぱなしになった。まあ、悪い人間じゃないし、結構おもろい人間だし、らしいといえばらしいので、この時のことは後に僕の中では笑い話にしかならなかったのだが、彼が誰に対してもこういう態度でいるしたら、結構やばいんじゃないだろうか。
あともう一人、顔を合わすといつも仕事の愚痴なんだが自慢なんだかよくわからない話を延々としてくる人間がいた。それもいつも同じような話で、聞いてるこっちはただただ疲れてウンザリするしかなかった。彼にも、僕の話を聞こうという気はまったくなかったようだ。僕の話ってそんなに面白くないのか、と思ってしまうくらい、こういう人間が僕の周りに多い。それも大体同じ年齢だ。タメだから話したくなるっていうのはあるんだろうけど。
まあ、僕もごく一部の人達に対しては喋るだけ喋ってしまうことはあるので、そんなに変わらないか。それにこの一部の人達はかなり僕を助けてくれている。それを考えると、まあ僕に何か話してくれる人がいるというのは幸せなことかもしれない。
posted tomoyuki : 22.01.09 18:25