日本の脱線事故のニュースを読んで、イタリアでも大体同じようなことが普通に起こっていると思った。とは言っても今回の日本のような大惨事は未だに聞いたことがないが(そういえば、少し前にボローニャあたりで大惨事があったか)、ミラノで似たような危険性が一番高いのがトラム(路面電車)である。
イタリアのバスや電車は、時刻通りに来ることの方が全然少ない。バスやトラムなどは、30分も待たされた挙げ句、ようやく来たと思ったら3台が連なって来やがったなんてことはざらである。国鉄もまあ大体は同じ感じで、ESという日本の新幹線的なもの(とはいってもスピードも乗り心地も日本のものには到底及ばない)に乗っている限りは誤差30分(それでも30分)がせいぜいだが、その下の、IC、日本でいうところの急行電車になると、平気で1時間とか遅れて到着することが少なくない(ちなみに、日本のように、ぴったりの位置に停車するなんてことは有り得ない)。日本との違いは、時間が遅れても、決してスピードを上げたりして元に戻すということはしないということだ(まあ、1時間の遅れを元に戻すのなんて不可能だし、それだったら別に遅れたままで良いだろうっていう考え方があるようです)。だから、基本的に前の駅で10分遅れていたのが、次の駅では5分遅れだったなんてことは皆無で、前の駅で10分遅れていたら、次の駅では20分遅れているというのが普通である。
それだったら、今回の日本の大惨事のようなことは起こらないであろう、という風に思われるかもしれないが、実は前に書いたものとは違った理由で、今回のような事故が起こる可能性があるのである。
そのような事故の起こる可能性が一番高いのが、その日の最終のトラムである。なぜか。
それは単純なことで、運転手が早く仕事を切り上げて家に帰りたいという、本当に個人的な理由から、とんでもないスピードを出すためである。飲んだ帰りなど、最終のトラムで家に帰ることがあるのだが、車が昼間に比べて少ないとはいえ、ちょっと信じがたいほどのスピードを出す。そして、いつもならスピードを緩めるカーブでも、スピードを緩めない。そのままつっこんでいくので、かなり踏ん張って座っていても、遠心力に負け、身体が横に倒れる。これは本当に危険なことで、下手したら大事故になりかねない。
5年間、ミラノに住んでいるが、停留所で最終トラムを待っている時に2度ほど、思いっきりシカトされて通り過ぎられたことがある。それも、結構大きく手を振っているのに、見えない振りをして通り過ぎやがった。あれは確信犯に間違いない。気付かなかったのなら気付かなかったで、問題であろう。
そして、最終トラムに乗っていて、こちらも2,3度ほど、次の停留所で降りるためにボタンを押していたのに普通に通り過ぎたこともある。その時は大きな声で、「おい、降りるんだが」と言った。それで初めて運転手が気付くのだが、謝られたことは一度もなく、なんと「くそったれ」と悪態をつきながら急ブレーキをかける馬鹿者までいた。自分に対して悪態をついていたのかもしれないが、そんなに早く帰りたいんか、お前は、と(以下省略)。
今回の日本の大惨事だが、記事を読んでいる限りでは、運転手の若者に少し不安定なところが日頃からあったように思われる(あくまでも予測)。もちろん私鉄の方でも心理テストや適正テストなどを繰り返し行っていたらしいのだが、まあ最近の若者に対しては全く意味をなさないテストになってしまっているのだろう。テスト自体の見直しを測るべきなのかもしれない。
しかし、まあこれは僕の主観なのだが(なんていちいち断らなくても、ここに書いているものはほとんど全て僕の主観なんですけど)、イタリアで電車やバスやトラムを運転している人間など、ほとんど精神的に不安定な者達である。とはいっても病気と診断されるほどではなく、普段は隠れているくらいのものだろう。しかし、沢山の人間の命を預かっているという意識は本当に低い。そして、人の命を預かるにはあまりにも感情の起伏が激しい人間が多すぎるのだ。まあ、それは良い面でもあるのだが、やはり仕事ではきちんと平均的に安定したものが欲しい。これは思いっきり日本人の意見だが。