地下鉄に乗って街に出ようと駅のホームで電車を待っている時、今までにも何度かしたように、ホームの様子をデジカメで写真に撮った。3回ほどシンクロ撮影もした。
そのうち電車が到着したので、さて乗り込もうかという時、女性の駅員さんが僕に向かって駆け寄ってきて、「あなたさっき写真撮っていたわよね?」と訊いてきた。
あぁ、なんかまずかったんだろうなぁと思ったのだが、誤魔化しても仕方ないので、頷いた。ホームの端にある防犯カメラに写っていたらしい。「ホームでは写真撮っちゃいけないのよ。今撮った写真を見せなさい」と言われ、見せる。その間に電車は行ってしまった。まあそんなに急いでいたわけではないので、一本くらいずらしても良いだろうと思い、じゃあ今全部削除すれば良いんだね、と言って写真を全て削除した。はい、削除したよ、と言ってスクリーンを見せたが、「私は日本語わかんない」と言われ、それもそうだなと思い、言語を英語に直して再び見せようとすると、「ちょっと付いていらっしゃい」と言われ、階段を昇って上まで連れて行かれた。
最初はただ撮った写真を削除すればその時点で問題は解決すると楽観視していたのだが、どうもそれだけでは済みそうになく、だんだんドキドキしてきてしまった。まさか警察だろうかと不安になる。僕は今身分を証明できる物を何も持っていない(外国人が身分証明書を持ち歩かないって時点でミスなんだけど)。反省文を書かされるだけなら助かるのだが、なんて考えているうちに改札を出て、なんだか小さな文字がずらーっと並んでいる貼り紙の前に立たされた。どうやら法律が書いてあるらしい。そこに、写真撮影が禁止されていることも書いてあるらしいが、この女性、まだ働き始めたばかりらしく、その箇所がいつまで探しても見つからない。いつの間にか僕も一緒にその箇所を探していて、なんで僕まで一緒になって探さなくちゃいけないんだと我に返り、再び先程英語バージョンにした画面を見せて、ほら、もう全部削除したから良いでしょ、と言ってみた。
いつまで経っても問題の箇所が見つからないことに少し焦りを感じたのか、その女性の駅員さんは自信なさそうに、「本当は38ユーロの罰金なのよ。次は取るからね」と言ってきた。うん、次から気を付けます、と言って僕はホームに戻ることにした。あの駅員さんで助かったと思った。ちょっと意地の悪い駅員だったりすると、外国人ということで感じの悪い嫌がらせをしてくることも充分あり得た。まあ、そういう人間であれば僕が写真を撮っていたって、面倒でわざわざ下まで降りてこないとは思うが。こっちの警察なんかはわかりやすいのだが、やはり働き始めた頃は正義感が強く、どんなに小さなことでもきちんと注意する。それが、長く働くにつれて段々とだらしがなくなり、やる気もなくなってくる。そういう人間が一番タチが悪い。
次からホームで写真を撮る時はフラッシュを焚かないようにしよう(そういう問題でもないんだろうが)。
というわけで、他の人もお気をつけあれ。