20.08.04

ホッとする街。

 どこか、他の国に旅行などに行っていて、イタリアに久し振りに帰ってくるが、イタリアに帰ってきたからといってホッとした事は一度もない。
 このことは、常々言っている事だが、よく考えてみると、FirenzeやSienaに行くとホッとする。Firenzeは僕が一番最初に滞在した街。Sienaはその後の10ヶ月間を過ごした町だ。ミラノに来てからも時々2つの街に遊びに行くのだが、それらの駅に到着した途端、懐かしさとともに、本当にホッとするのだ。街に充満する匂いを嗅ぐと、あぁ、やっぱりここだよなぁ、と思うのだ。という事は、イタリアが僕をホッとさせてくれないのではなく、ミラノが僕をホッとさせてくれないのだ。
 何故か。おそらく、僕がイタリアに来た理由のうちの一つである、美しい中世の街並みがミラノには全くないからであろう。いや、全くではないが、しかしほとんどゼロに近い。あとは、やはり18歳から19歳という、今に比べると桁外れに多感な時期を過ごしたからというのもあるだろう(今も充分多感ですけどね、フフフ)。憧れの地に来る事が出来て、浮き足立っていたし、興奮していた。ミラノに来る頃には、そういうものは半減していたのかもしれない。
 それでも僕はもうミラノだけで4年住んでいるのだ。大学と同じ期間をここで過ごしているという事だ。それならば、それなりに親近感を持っても良いと思うのだが、はっきり言ってこの街には全く親近感を持っていない。これは何故だろう。汚れか?中途半端な街並みか?それとも僕の精神状態か?未だによくわからない。この街を好きって言える時が来るのかなぁ。まあ、もし日本に永久帰国でもするような事になったら、記憶の中で思い出が美化され、ミラノは良かったなぁ、なんて思うかもしれない。というか、絶対に思うだろう。そんなもんだ。

投稿者 tomo : 20.08.04 23:59 | トラックバック
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