先日友人からもらった三島由紀夫の「音楽」を読み終わった。ある精神分析医の、不感女性に関する手記をもとにした小説である。フロイトやシュケーテルなど、僕にとっては馴染みのない、名前を聞いただけでも難しいと、どうしても距離を置いてしまう人達の本を参考にしている部分などが多くあり、そこは思った通り難しかったが、それでもかなり解りやすく説明してある。三島由紀夫ってこういうことも出来るのだ。作家としては当たり前のことなのかもしれないが。頭が良いんだな。
精神分析という、今まであまり触れたことのない分野に少しだけ触れてみたわけだが、とても面白かった。全てとは言わないが、人間の心理にも法則のようなものがあり、それを参考にしつつ、さらに臨機応変に物事を考えていき、最良と思われる結果に粘り強く近づけていく。人間の心理って本当に奥が深い。精神分析医ってものすごく大変だなと思ったが、こういう人間は、どんな恋愛をするのだろうか。どのような喧嘩をするのだろうか。こちらの言動一言一言がいちいち分析されそうで怖いというのは精神分析医に対する一般的なイメージではないだろうか。プライベートの時などは頭のスイッチが入れ替わるのだろうか。この小説を読んでいるとそうとも思えないが。
この小説は実際の話をもとにしたものらしいが、ちょっと自分のいる世界とは違い過ぎる。普段友達と話している時、「インポになったらどうしよう」などとふざけて言ったりすることがあるが、この小説を読むとそう簡単にこんなことは言えなくなる。
僕は恋人の気持ちもわからなかった。わかろうとしなかったんだろと言われても否定できない。いつまで経っても自分勝手なままである。
投稿者 tomo : 28.10.03 03:01 | トラックバック