南の方角から季節外れの巨大な積乱雲がものすごい早さでこちらに向かってきた。一瞬にして石畳が真っ黒に染まり、稲妻だ、と思った瞬間に、まるで、空までもを真っ二つに割ってしまったのではないかと思わせるほどの、凄まじい雷鳴が轟いた。体が一瞬静止して、心臓を「ドン!」と強く打たれたような錯覚に陥る。しばらく、激しい雨が降ったり止んだりが続き、一時間後には先ほどの豪雨が嘘のように、雲の隙間から覗く太陽が、町を照らしていた。ピカピカに輝く石畳が美しい。