22.10.03

Biennaleの感想

 今回のBiennaleはFrancesco Bonamiというイタリア人が指揮をとっている。知的な顔の紳士で、彼のインタビューが美術手帖に掲載されていた。正直、何を言っているのかよく判らなかったが、頭は良さそうだった。
 はじめにチケットを買ったのだが、一般ピープルは10ユーロから。26歳以下か、学生になると、8ユーロからになる。から、と言うのは、今回のBiennaleは計3か所で行われており、何ヶ所見るかによって値段が少しずつ上がっていくのだ。一般だと、10/13/18ユーロ、学生、26歳以下は、8/9/12ユーロである。3か所見るとなれば、かなりお得である。しかし、今回は3か所とも見るのは時間と体力を考えて無理だと思い(なんせ前の日は結局一睡も出来なかったわけで)、2か所分のチケットを買った。

 一番はじめにArsenaleに行った。ここは毎年(アートでも建築でも)とても面白いものが集まっている企画展の集合体だ。今回もかなり期待していったのだが、結局その期待は裏切られてしまった。全部で8の企画展があり、それぞれにキュレーターがいて、テーマも違う。キュレーターはBonami本人が自分の友人知人の中から選び、選ばれたキュレーターは全てを任されていたらしいが、それが失敗だったと言えよう。おそらく、というか、願わくば、そこに出展していたアーティストは全員とまでは言わないが、それなりに評価されている人達だったのだろう。確かに一瞬目をひく作品もないわけではなかった。しかし、プレゼンテーションの方法が酷い。特に配置。Arsenaleの会場はブースがほとんど四角形であり、ある意味、工夫しにくいと言えばしにくいのだが、とても解りやすく簡潔に展示することは出来ると思う。きちんと考えていれば、なかなか見応えのある展示が出来たのではないだろうか。しかし、とても考えられたものだとは思えなかった。ただ、何も考えずに雑然と並べられているだけ、というふうに感じた。このような雑然とした並べ方が良い成果を生むこともあるのだろうが、今回の展示では失敗である。それと、今回は映像作品がとても多かったのだが、前回のArt Biennaleのイギリスの作品のような、見ていて小気味良いと感じる作品は一つも見られなかった。今の芸術的風向きが僕には向いていないのだろうか。何も語りかけてこない。
 それでもいくつか目に付いたものをここに紹介したい。Laylah Aliの2次元画はとても綺麗だった。そしてキャラクターが可愛い。一見構図が偏っているように思うのだが、それが逆に面白い。そして、綺麗な水色を多用していて目に優しい。んー・・・、これだけだな。見ていて嫌悪感を感じる作品の方が多かった。

 Arsenale見学を終え、次はどこに行こうか迷った。Giardiniで国別の展示会を見るか、Museo Correrで村上隆のペインティングを見るか。2ヶ所分のチケットしか買っていないので、片方しか見ることが出来ない。村上隆の生のペインとも見てみたかったが、どうもそれしかなさそうなので、Giardiniに行くことに決めた。Giardiniの方が量的に多いし。といっても、既に電車の出発の時間まで、あと3時間しかなかったので、Giardiniから駅まで移動する時間を考えると、駆け足で見ても全て見切れないだろう。なので、美術手帖で面白そうだなと思ったものを優先的に見てまわることにした。
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 ↑まず、一番興味があって入り口から近かったのがデンマーク。Olafur Eliassonの、光と光の反射をテーマにした作品。内側が全て鏡のようになったUFOのような巨大な模型。入ると何がなんだかわからなくなってしまい、遠くにあるように見えていた突起に手をぶつけてしまった。おそらく黄色であろう蛍光灯で照らされた部屋は、入ると自分が白黒に見えて不思議な感じだった。唇の皺が妙に際立つ。デジカメで写真に撮ってみたが、うまく表現されていない。露出なども変えてみたが駄目だった。目で見えているのは錯覚だろうか。その部屋から出ても、しばらく目の前に黄色い糸くずが漂っていた。天井に小さな穴が空いていて、その真下に腰の高さほどの直径1メートルほどの円柱があり、その上の面で木の枝のシルエットが揺れており、上の穴を覗くと、そこは林であった。面白い。動くスライド写真のようだ。
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 ↑日本は正直全く見る気がしなかったので飛ばし、その少し先にあるイギリスとフランス館に行った。イギリスは緑と赤の世界。壁にかかっている絵画は象の糞で描いたらしい。何故象の糞なのかはわからなかった。フランスは写真展のようだ。ネガを思いっきり巨大にしたように展示するのも面白い。
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 ↑オーストラリア館の、この世に存在しない生物と人間との共存。人形がものすごくリアルに出来ていた。毛穴の一つ一つまで精密に作り、おそらく毛も本物を使っているのだろう。
 他にもいくつかの国をまわったが、あまり印象に残っているものはない。やはりもっと時間をかけてゆっくりまわるべきだ。後で買ったパンフレットを見てみると、行けなかった国の中にも面白そうなのがたくさんあった。イラクなどの作品が見てみたかった。しかし、仕方ないのでそのまま駅に直行した。
 今回のBiennale、時間が充分にとれなかったせいもあるだろうが、前回ほどの面白みを感じられなかった。興味をそそられるアーティストも少ない。とにかくArsenaleがひどすぎた。

投稿者 tomo : 22.10.03 20:41
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